WORK VILLA MITOSHIRO│第35回BELCA賞

建築物概要 ―Outline of Architecture―
| 表 彰 部 門 | ベストリフォーム部門 |
| 建物所有者 | 住友商事㈱ |
| 改修設計者 | ㈱安井建築設計事務所 ㈱日建設計(スペースデザイングループ) ㈱高山煉瓦建築デザイン ㈱トミタ・ライティングデザイン・オフィス ㈱大林組 |
| 改修施工者 | ㈱大林組 ㈱デビス ㈱高山煉瓦建築デザイン ㈱きんでん ㈱三晃空調 |
| 竣 工 年 | 1966年 |
| 改 修 年 | 2024年 |
| 改修前用途 | 事務所 |
| 改修後用途 | 事務所 |
| 所 在 地 | 東京都千代田区神田美土代町1 |



表彰建築物ならではの取り組み ―Building-specific Initiatives―
「WORK VILLA MITOSHIRO」において、設計・計画・維持管理等の各段階で実施されている、特筆すべき工夫や取り組みを紹介します。
事務所
1960年代
SRC造
ZEB Oriented
省エネ
パブリックスペース
インテリアデザイン
WELL認証
快適性
地域交流

※PDFより抜粋
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選考評 ―Selection Commentary―
都心部に立地する築60年のテナントオフィスの再価値創造プロジェクト。敷地は神田地区に位置して商社の地域拠点ビルとして当時の最先端技術を導入、その後3回目の改修にあたり構造体やオリジナル要素の価値を継承しながら、新たな要素を加えることで、「環境性能」と「快適性」を時代の価値に適合させた。
機能的には角地に面する建物特性を生かすべく、周辺の街との関係性を再検証して各面ごとにテーマを決めて開放性を確保、特に東側に面した部分は入居テナントが運営する半野外的な空間として整備、地域に開かれた縁側的パブリックスペースとして人や街とつながる連続性と交流を実現している。ファサードは過去の改修を上手く活用している。
低層部は内部動線を変更、複数の吹き抜けを設置して各階との連携を物理的、視覚的に確保。地下にはビル専用のラウンジとレストランを設置、自然光と自然植栽により快適な空間を作っている。低層の入居テナント部分の吹き抜けは自由な動線を確保して積層された空間のより積極的な交流を意図している。外部に開放可能な低層テナントスペースは入居テナントが自主的に運営サポート実施、催事企画などを積極的に行っている。
今回改修は既存不適格建物として法的に対応している。
構造的には2002年に柱の構造鉄板補強を中心に耐震補強済。今回の改修では補強鉄板や新築時の杉板型枠コンクリート躯体を積極的にインテリアデザインとして利用することで施設の歴史的財産を可視化した。
設備・環境的には、2018年策定の長期改修方針に基づき、エネルギー効率と環境負荷低減の両立を図った。設備面では、高効率空調や全館LED照明、外気冷房・CO2制御・変風量制御など多様な省エネ技術の導入により、ZEB Oriented(BEI=0.55)認証取得を実現した点が際立つ。また、各部・各設備について緻密な維持保全計画が整備されており、安定した機能の継続が見込まれる。運用面では、センサーによる温湿度・CO2濃度モニタリングと自然換気の活用により、オフィス内の快適性・電力効率を継続的に改善していることも評価に値する。低層部テナントについてはWELL認証ゴールドランクを取得している。
大規模再開発に合致しない大都市部のビル資産の積極的活用の一つの良い実例として魅力的な改修となっている。

