「エンジニアリング・レポート(ER)」とは
1.エンジニアリング・レポート(ER)とは
ER は不動産の売買等取引において、不動産の物理的リスクを短期間に洗い出す調査です。
高度にパッケージ化されており、不動産の収益性に影響を与える可能性のある様々な物理的リスクを一度に把握できます。
証券化対象不動産のデューデリジェンスだけでなく、投資判断・融資審査・鑑定評価にも活用できる 建物のリスク評価レポートです。
一般的に、①建物状況調査、②建物環境リスク評価、③土壌汚染リスク評価、④地震リスク評価の4つの評価報告書で構成されます。

2.ERはどんな時につかわれますか
・証券化対象不動産のデューデリジェンス時の物的調査として利用。
・不動産売買時に、購入したい不動産があるが、投資する価値があるか分からない。
・購入した不動産の運営に際して、この先どのような対策をとる必要があるのか知りたい。
・所有する不動産のリスクがどの程度あるのか知りたい(将来の利活用の方法の検討)。
3.ERを見ると何がわかりますか
「一度の調査」で「短期間のうち」に、以下のような不動産の収益性に影響を与える可能性のある様々な「物理的リスクを明らかにする」ことができます。
また、ER を活用することで事前に対策を講じたり、損害を低減したりすることが可能となります。
①物理的な品質や性能の低下に伴う費用の発生
②地震等の自然災害による損失の発生
③環境リスクの除去に伴う費用の発生
④遵法性(建築基準関係規定)の是正に伴う費用の発生
等
4.ERはどんな基準で作成されているのでしょうか
書籍「不動産投資・取引におけるエンジニアリング・レポート作成に係るガイドライン」
日本では1990年代後半より不動産の流動化が行われるようになり、ERが取得され始めましたが、当時のERは各社が手探りで作成している状況にあり、ER作成者毎にERの考え方にばらつきがありました。その後、不動産流動化の急激な進展と多様化により、投資家保護の観点から各関係者には説明責任と情報開示が強く求められるようになったため、BELCAではERの適正な作成と公正な不動産取引の実現のために、2001年にER作成の考え方を示した「不動産投資・取引における エンジニアリング・レポート作成に係るガイドライン(ERガイドライン)」を刊行しました。
このERガイドラインは、ER作成に関わる技術者の指針とされており、より信頼性の高いERが作成されることを目指して、内容を充実させながら改訂を行っています(改訂年次:2007年、2011年、2019年、2026年)。

5.ERはどんな人が作っているのでしょうか
ERでおこなう調査項目・範囲は広範で、一つのレポートを作成する際には、一般的には建築士を含む複数名の各分野の専門家により、第三者的見地から調査・分析が行われます。
レポートを作成する会社は多様な業態にわたりますが、会社ごとの専門性を活かしてレポートを作成されております。
信頼性の高いレポート作成にあたって
ERの作成には、技術的に高い専門性が求められます。不動産証券化市場における投資家保護や不動産の物理リスクの洗い出しを行うというERの持つ重要性を鑑みると、ER作成者は何よりも資質と信頼性を備える必要があります。
BELCAでは、ERの作成に関係するBELCA正会員が協働して、ER作成にかかる情報の共有、ERの品質確保・向上、ER作成者の質とER作成技術向上を目指す「ER作成者連絡会議」を設置し、現在では約40社が参画しています。
安心できる品質のERの取得をお考えであれば、ER作成者連絡会議のメンバーにお問い合わせください。
◆ER作成者連絡会議については、こちら
6.ERはどのように作成されるのでしょうか
ER作成業務の流れは大体以下の流れになります。

・対象建物の規模にもよりますが、契約して
から 1~2 ケ月程度でレポートが作成される
ことが一般的です。
7.ERを活用したらどういうメリットがあるの
証券化不動産のデューデリジェンス以外でも、以下のような活用のメリットがあります。
◆ER を利用した方の声◆
物件購入検討においてERを取得することで事前にリスクを把握することができ、懸念のある物件購入を避けることができた。
投資家等からアスベストや土壌汚染リスク等についての問い合わせがあった際に、
ERを確認することですぐに回答することができた。
売主との価格交渉の際の材料として有意義な資料となった。
保有する老朽化した建物について劣化状況をERで客観的に評価することができ、建て替え計画を推進する際の資料として役立った。
ERは建物のサマリーとしても利用でき、物件取得後もビルの建築・設備の概要を把握するためによく目を通す。情報が体系的にまとめられており役に立つ。
8.よくある質問
Q1.どんな人が作るのですか。
A1.一般的には建築士を含む複数名の各分野の専門家により、第三者的見地から調査・分析が
行われます。
Q2.レポートの作成を依頼してから、どのくらいでレポートが作成されるのでしょうか。
A2.対象建物の規模にもよりますが、契約してから 1~2 ケ月程度でレポートが作成される
ことが一般的です。
Q3.費用についてはどのくらいかかるのでしょうか。
A3.対象建物の規模・築年にもよりますが、フルスコープ(4 つの評価報告書)のレポートの場合、
委託費用は 100~200 万円位となります。
エンジニアリング・レポートを発注される立場の方(投資家、銀行の融資担当等)を主な読者として、ERに関する内容をQ&A 方式で分かり易く解説した「-不動産リスクマネジメントのための-エンジニアリング・レポート(ER)ハンドブック Q&A」を刊行しておりますので、より詳細をお知りになりたい場合はこちらをご購入ください。

公益社団法人 ロングライフビル推進協会(BELCA) 総合企画部

