りそなコエドテラス│第35回BELCA賞

建物外観

建築物概要 ―Outline of Architecture―

1階物販店舗
ギャラリー
コワーキングスペース

表彰建築物ならではの取り組み ―Building-specific Initiatives―

「りそなコエドテラス」において、設計・計画・維持管理等の各段階で実施されている、特筆すべき工夫や取り組みを紹介します。

店舗
事務所
飲食店
銀行建築
1910年代
RC造
レンガ
耐震
遵法化
地域活性化

※PDFより抜粋

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選考評 ―Selection Commentary―

1918年に旧第八十五銀行本店本館として創建され、築100年を超えて川越のランドマークとなっている洋風銀行建築の利活用プロジェクトである。

敷地は川越市の伝統的建造物保存地区の中心に位置し、明治時代から続く歴史的景観が良く維持された地域の中心部にあり、各種洋風様式を折衷的に用いた本館建物は鐘楼がそのシンボル性を際立たせている。

銀行施設として本館を中心に3回増築を行い、時代ごとの機能を拡充して2020年まで利用された。その後、地域活性化を目的とした施設利活用の方針が決定し時代のニーズに適合した機能更新と長期使用に耐えうる施設改修を行った。

機能的にはレストラン、物販、シェアオフィス、コワーキングスペース等、地域活性化に資する機能を追加して再構成、駐車場部分は解放広場・通り抜けとして地域に開放して街区全体の魅力アップに繋げている。また文化財部分に主施設のエリア面積を最大化して利活用するため、増築部分に機能更新施設を集中して必要とされるELVや階段等を設置している。

法的には今後の長期的な改修にも耐えうるように既存不適格の適法化を自主的に対応している。

構造的には外壁の中性化対応と室内側のグラウト材増し打ち補強でIS値0.8以上の目標を確保している。表通りに面する旧ATM棟は屋上テラス活用のため建屋内に新期の鉄骨フレーム補強を行い既存基礎への補強は必要がないこととしている。大正時代の特徴的なアーチスラブや金庫室の煉瓦に対しても、有限要素法解析やアラミドロッド等を利用して必要な検証や補強をして安全性確認確保を行い、それを意匠的に現しとしてインテリアに積極的に利用、創建時の時間や記憶を積極的に表現している。インテリア設計もほぼ同一の設計者であり、内外の一体的なまとまりのある設計は高い設計能力を示している。

既存設計図書については、過去複数の改修が行われたため統合設計図書が存在せず、残存資料の収集から竣工当時の各種情報の把握、現地での詳細な調査を実施し、実態状況を把握している。さらに、工事期間中においても、その実態把握と正確な情報収集に努め、今後の資料として整備している。 長年、地域のランドマークとして親しまれてきた登録有形文化財である本館を中心に、オーナーである銀行自らが事業主体となり、歴史的町並みの中心施設として館内施設プログラム、施設整備・運営をトータルで手掛け活気ある商業施設として再生させたことは、その事業手法も含めて高く評価する。

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