第一生命日比谷ファースト│第35回BELCA賞

建物外観
Lounge

建築物概要 ―Outline of Architecture―

共用スペース「LOFFT」
ビッグプレートオフィス
南北貫通動線 オフィスエントランス

表彰建築物ならではの取り組み ―Building-specific Initiatives―

「第一生命日比谷ファースト」において、設計・計画・維持管理等の各段階で実施されている、特筆すべき工夫や取り組みを紹介します。

公共施設
ホール・劇場
1970年代
RC造
レンガ
PFI/指定管理者
ヒメアマツバメ
特定天井
耐震
省エネ
第一生命日比谷ファーストの取り組みPDF抜粋画像。本文は別途リンクからご覧いただけます

※PDFより抜粋

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選考評 ―Selection Commentary―

本建物は1938年に新築された『第一生命館』を既存建物の一部を保存・活用することに加え高層オフィスを新築し、1995年に『DNタワー21』と名称を変え再生されたビルを30年経過した今、再びリノベーションした建物である。

所有者である第一生命は共同事業者の持ち分を取得し当建物を単独所有したことを機会に、歴史の継承とテナントとの共創/協創を目指して大規模なリノベーションを実施した。2社の本社ビルから第一生命と複数テナントが共存するビルへの進化の為、建物の骨格をなすエントランスや基準階コアの移動・改造に至る大胆なリノベーションを成し遂げ、併せて建物全体のフロア構成の変更、セキュリティの強化を行い、築30年にも関わらず新築並みの賃料の実現に至っている。今回のリノベーションのポイントを以下にまとめる。

【①新たな動線の整備】
1階では南北に貫通する通路を新設し、通路に面してオフィスエントランスを新設し、2階受付ロビーへの客動線と分離することでセキュリティを強化している。これにより複数テナント誘致が可能となっている。また、既存の素材を活かして営業ロビーを応接ゾーンに再編した。

【②執務室の一体化】
築年数も階高も異なる2つの建物の壁を撤去し、執務室をつなげてビッグプレートオフィスを構築した。東西のメインストリートにより、自由な働き方、偶然の出会いを生み出す最新のオフィス空間を創りだしている。

【③共用部コアの改造】
テナントフロアでは、中央部のコア・水廻りを外壁側に移動し、フロア中心部を執務空間としている。オフィス中央部を『人の集まるスペース』としてオフィスレイアウトの自由度を高めている。レンタブル比の向上にも寄与した。

【④共用スペース】
6階の社員食堂は皇居を臨むロケーションと既存のデザインを活かして緑溢れる共用スペースに刷新している。第一生命とテナント同士のコミュニケーションのハブとして利活用されている。

本プロジェクトは、建替えではなくリノベーションを選択することでCO2排出量を大幅に削減し、100%再生可能エネルギーによる電力調達や空調熱源の高効率化によるエネルギー消費の削減など、持続可能な社会の実現に寄与している。また、2050年までの維持保全計画を着実に遂行し、長期的な建物管理を着実に実現している点も評価される。さらに、従業員参加型で創り上げたワークプレイスや、歴史的空間の保存・継承、そして国内金融機関で初のWELL認証プラチナ取得など、環境・ウェルネス・歴史の各側面で先進的な取り組みがなされており、次世代のオフィスイノベーションへの取り組みとして優れた改修事例である。

リノベーションによって魅力あるオフィス空間を創出したことにより、収益性向上に寄与し、築30年経過しているビルとは思えない最新の働きやすい魅力ある事務所ビルとなっている。一方30年前に完全保存されたダグラス・マッカーサー元帥の執務室とイメージ保存された日本国憲法草案の起草の場である大会議室は今回も変わらず維持し当建物の歴史を継承している。

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