作成日:2018/09/07

9回 BELCA会員の新技術・新事業等の説明会

「免震・制震(制振)技術の最前線」

を開催いたしました。

 

我が国は世界有数の地震国であり、建築物を長く利用するには地震に対する安全性の向上が必須です。従来、建築躯体の強度・靭性を向上させることで耐震性能を確保してきましたが、近年では、建築物へ入力される地震エネルギーの軽減・低減をする免震構造や制震(制振)構造を採用する事例が増えてきております。

地震動により建築物に入力されるエネルギーを、免震構造ではアイソレーターで軽減し発生する揺れもダンパーで低減させ、制震(制振)構造では建築物内に設置されたダンパーで低減させますが、それぞれ従来の耐震構造に対して自由な構造計画や被災後の継続使用が可能になるなどのメリットから、近年、様々な技術開発が行われております。

今般、BELCAでは、建築物の免震技術、制震(制振)技術をテーマとして、以下の協会会員の取り組みを紹介する説明会を開催いたしました。

当日は、多くの方にご参加いただき、盛況のうちに終わりました。

 

 

1.開催概要

開催日時:平成30831日(金)14201700

会  場:BELCA会議室(東京都港区浜松町2-1-13 芝エクセレントビル4階)

者:37

 

2.各技術の説明内容等

高性能中間階免震改修「Hy-Retro構法」 ~集合住宅における改修事例~

説明者

三井住友建設株式会社 技術本部 構造技術部 

建築構造技術グループグループ長 徳武 茂隆    

概要等

三井住友建設()が開発した「Hy-Retro(ハイ・レトロ)構法」は、新耐震基準(1981年)以前竣工の既存建物に対して、免震装置設置階以外の部分をそのまま利用しながら地震に耐えることのできる免震レトロフィット構法です。免震装置と高性能減衰装置を採用し、地震の揺れを吸収する免震構造の優れた特性を生かしながら、免震クリアランスを抑えた短工期・ローコストな耐震改修構法です。

当日は、工法の概要とあわせて、2棟の集合住宅において当該工法を適用した改修工事の事例について詳細にご説明いただきました。

 

 

当日のプレゼン資料

当日の様子

問合先

三井住友建設株式会社HP内のお問い合わせフォーム(耐震診断・耐震リニューアル)」よりお願いいたします。 

関連
情報

Hy-Retro構法
緊急輸送道路沿道マンションを初めて免震改修

集合住宅における住戸階での中間階免震改修工事を実施

 

制震工法を支える技術 「トグル制震ブレース、リングダンパー、レンズダンパー等」

説明者

飛島建設株式会社 耐震ソリューション部部長   久保田 雅春

概要等

 飛島建設では「耐震ソリューション営業の展開」として建物の制震技術に注力しており、トグル制震ブレース工法を中心に、レンズダンパーやリングダンパー等の制振制御デバイスを開発し、建物の地震に対する安全性を向上させるだけでなく、地震後も機能維持、継続使用ができるよう、技術提案をしております。
 当日は、トグル制震ブレース工法とレンズダンパーを中心に各制震工法の概要とそれぞれの工法の新築・改修工事等への適用事例について詳細にご説明いただきました。

 

当日のプレゼン資料-抜粋-

当日の配布資料01
当日の配布資料02

問合先

飛島建設株式会社HP内のお問い合わせフォーム」よりお願いいたします。 

関連
情報

飛島建設の耐震ソリューション:
■トグル制震工法 ■レンズダンパー、 ■リングダンパー

 

長周期地震動による超高層建物の揺れの低減「高性能振子式大型制振装置『T−Mダンパー』」

説明者

大成建設株式会社 設計本部構造計画部部長     木村 雄一            

概要等

 大成建設では長周期地震動特有のゆっくりとした揺れに対し、大きな低減効果を発揮できる 屋上設置型の高性能振子式大型制振装置『T-Mダンパー』を開発した。この装置は、従来超高層建物の風揺れ対策用として使用されている多段振子式装置を地震の揺れ対策用に改良し、①従来装置に比べ制振性能が大幅に向上、②装置台数(錘の総重量)を少なくし、低コストで設置することが可能、③設置工事が屋上に限定される、といった特徴がある。
 当日は、長周期地震動の課題とあわせて当該工法の開発の背景や多段式振子装置と軽量マスダンパーの振動実験の検証結果について詳細に説明いただきました。

 

当日のプレゼン資料-抜粋-

当日の様子

問合先

大成建設株式会社 設計本部構造計画部 TEL03-5466-5008

関連
情報

高性能振子式大型制振装置『T-Mダンパー®』の性能を実証
長周期地震動による超高層建物の揺れを効果的に低減

 

 

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