17回BELCA賞ベストリフォーム部門表彰物件

岡山県総合福祉・ボランティア・NPO会館「きらめきプラザ」

所在地:岡山県岡山市南方2-13-1
竣工年:1961
改修年:2005

用 途:(改修後)福祉関係施設等
       (改修前)病院

建物所有者:岡山県
改修設計者:樺|中工務店

改修施工者:樺|中工務店

 旧国立岡山病院本館として使用されていた建物をリニューアル整備し、新たな活用を目指した計画である。主要構造部の調査結果から、適切な補強により再利用が可能と判断され、コスト比較などの結果、解体新築でなく再利用が選択された。

補強の手法としては、クライアントとの十分なコミュニケーションのもと、RC系の既存部の耐震壁を撤去し、外周に剛性の異なる鉄骨のラーメンフレームを設けて補強を行う「ダブルフレーム構法」と名づけられた方法が採用され、重要度係数1.25に見合った耐震性能を確保することとしている。一方で既存部にある内部の耐震壁はすべて撤去されているので、新しい機能に見合った自由な間取りが可能となり、計画のフレキシビリティは格段に上がったと考えられる。

ダブルフレームは格子状の軽快な骨組みとして、新しい建物の重要なデザイン要素となっている。それだけでなく、トイレなどの水周りをここに移すことで、既存部から配管を取り除き、天井高さの制約をなくしてゆとりのある空間を演出している。さらに配管・配線や空調室外機などにもこのフレーム内の空間を利用し、メンテナンスや機器変更を容易にするというメリットも生まれている。

ほとんどの建築設備は今回のコンバージョンを期に、用途に合わせて新設されている。施設運営・維持管理者と建築設計施工者ともPFI事業(15年)受託者の構成員でもあり、事業当初より、熱負荷の低減、自然エネルギーの活用等のライフサイクルマネジメント(LCM)が計画されている。屋上には110kwの太陽光発電システムの導入、雨水・井水のトイレ洗浄水や屋外散水への活用、熱源での電気式空冷ヒートポンプ氷蓄熱ビル用マルチ方式や照明設備でのHF型高効率蛍光灯の採用等がなされ、管理データの採集・分析によるランニグコストの縮減も計画されている。

この建物はダブルフレームの採用により、建物イメージを一新し、耐震性能を向上させるだけでなく、そのスペースの有効利用により、フレキシブルな内部空間を生み出している。今後さらに維持管理面でも、ダブルフレーム空間の多様な利用方法の開発を期待したい。

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