22回BELCA賞ベストリフォーム部門表彰建物

百十四ビル

所在地 香川県高松市亀井町5番地の1
竣工 1966年(昭和41年)
改修年 2011年(平成23年)
建物用途

銀行、事務所

建物所有者 日本橋不動産
改修設計者

鞄建設計

改修施工者 樺|中工務店

百十四ビルは「永く進歩的であり続ける」という設計思想の象徴として、1966年に竣工した高松の風景の一部となっている建物である。その後、1992年にBELCA賞をロングライフ部門で受賞している。本建物(別館を含める)の改修は、建築後40年以上が経過した外装の全面改修と併せてオフィス空調、衛生設備改修を主として実施したものである。
 外装の全面改修に際し、高松の景観の一部として永く市民に親しまれた外壁の緑青銅板や銅板で巻いたカーテンウォールを維持保全し、ガラスのショーケースで覆うことで保存再生を行っている。新たに追加された外装の透明強化ガラススクリーンはEPG工法により最小限の部材により極限までの透明度の追求を行い、銅板緑青との対比を図っている。その結果ダブルスキンの外装となり、大幅な省エネルギーを実現することが出来ている。また、既存熱線吸収ガラスを複層透明ガラスに改修したことにより、室内側からはダブルスキンと意識することのない、非常に明るく快適なオフィス環境が確保されている。
 改修工事に当たっては、アウターガラスのブラケットを取り付ける壁の強度確認やエックス線探査による鉄筋位置の確認など、既存の建物を極力傷めないような丁寧な施工がなされている。さらには、グレーチングによるメンテナンスデッキ、外壁ゴンドラ、防鳥ネットの設置等、日常の外装の維持管理にも配慮がなされている。
 共用部においても、各階WCの全面改修に当たり、ブース扉を円筒形の引違扉とし木調とすることで、温かみがあり狭さを感じさせない省スペースの改修としている。
 ダブルスキン内を換気・断熱層として利用し、空調負荷の低減を図り、また省エネ設備への改修等により、電力使用量は改修前と比較してビル全体で年間約15%節電しており、省エネルギー化にも成功している。
 現地審査により、リフォームのプロセスの各段階で所有者、維持管理者、設計者、施工者、更に入居者の一体的、永続的な協力によりリフォームが実現したことが理解でき、建築後45年が経過し、更に今後20年の使用を見通したリフォームとして高く評価できる。

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