15回BELCA賞ロングライフ部門表彰物件

リーガロイヤルホテル

所在地    大阪市北区中之島5-3-68
竣 工    1965年(ウエストウイング)
    1973年(タワーウイング)
用 途    ホテル
所有者 潟鴻Cヤルホテル
設計者    吉田五十八研究室
    樺|中工務店
施工者    樺|中工務店
維持管理者 潟鴻Cヤルホテル

 リーガロイヤルホテルは1965年竣工のウエストウイング、1973年竣工のタワーウイング、及びその後に建設されたその他の建物により構成されている。
 創建以来国際都市大阪にふさわしい「関西の迎賓館」としてその地位を不動のものとしている。
 それには、オーナーの強い意志のもと、設計者、施工者、維持管理者が緊密な連携をはかり、改修及び維持保全により、達成されていることはいなめない。
 ロビー、宴会場は建築家吉田五十八の監修による日本的な伝統美を表現した構成をとっており、バーナードリーチの着想を吉田五十八により具現化されたリーチバー等はホテルのシンボルとして大事に維持保全が図られており、40年以上経過してもそのデザインの持つ魅力を失っていない。
 創建から10年目、20年目には客室や、レストランの模様替えが順次行われてきたが2002年から2005年にかけては顧客ニーズの更なる向上の為、大規模な模様替えが実施されてきた。
 1995年には、電気・空調・防災設備の更新や増強、1999年には、ウエストウイングの壁の補強による耐震補強がなされ、さらなる耐震性能の向上を図る為の耐震改修が2006年以降計画されている。
 外壁は、大島紬をモチーフにしたタイルが張られているが、これも2006年以降ネットバリアー工法により改修が計画されている。
 設備については、早い時期より計画的に給水管を鋼管からビニールライニング鋼管へ交換、ガス吸収式冷凍機の導入、白熱ランプを蛍光灯タイプのボール球へ交換と省エネルギーを含め積極的に維持保全に取り組まれている。
 このことが、建築後年数を経過しているにも拘わらず、当初の設備機能の劣化を感じさせない源になっているものと理解出来る。
 最近では電気室機器・中央監視設備の更新、エレベーター機器の更新等が計画され、順次実施されつつあり、CO2削減を含め設備関係の維持保全水準は、今後共バランス良く高水準に推移して行くものと考えられる。
 2000年には西隣に大阪交際会議場が開館し、現在2008年開通予定の地下鉄の駅が当地の目の前に建設されており、それにあわせて中ノ島プロムナードの整備がされようとしている。
 比較的交通の便に恵まれなかった当ホテルも、交通の至便性と環境の変化により、その価値が更に増し、改修や維持管理による安全・安心・魅力の向上とともに海外からのゲストのみならず、日本の数多くのゲストに今後も愛されていくことだろう。