15回BELCA賞ロングライフ部門表彰物件

市政会館

所在地 東京都千代田区日比谷公園1−3
竣 工    1929
用 途    事務室
所有者    (財)東京市政調査会
設計者    佐藤 功一
施工者    清水建設
維持管理者 (財)東京市政調査会

 この建物は、懸賞コンペによるもので、1925年に着工し、1929年に竣工している。関東大震災直後の設計で、十分な耐震性が求められた。松杭2,200本を用いた地盤改良が行なわれ、耐震壁を多用した鉄骨鉄筋コンクリート造で、 75年後の現在でも、ひび割れが無く、不同沈下も見られない。
 時代のニーズに合わせて追加されてきた各種設備の更新に伴い、外壁に設置されていた各種配管や屋外機などが撤去され、建設当時の外観に復元されている。
 アクセントとなっているテラコッタタイルの補修と外装のスクラッチタイルの補修等は、特に苦労が感じられる。
 経年劣化によりはく離・汚れを生じていた玄関周囲の砂岩も修復している。
 竣工以来76年間時を告げてきた時計塔は、会館のシンボルで、このイメージを損なわないように最新型時計機械に更新している。
 内部は、創建時の格調ある雰囲気を残すために、当時の仕上げをできるだけ残し、天井照明の改修により、最新オフィスビルのエントランスを設けている。
 設備・維持管理を考えると、以前は時事通信社1社が大半のフロアーを賃借していたが、今は民間数社が賃借しており、管理面についての苦労があると思われるが、緊急対応から、修繕費用の積立まで将来を見据え良く考えている。
 又テナントビルとして、競争に負けないように設備に関する大改修を行っている。空調負荷対応、事務所照度を750lxに上げ光ケーブルを引き込み他のビルとの差をなくした。
 本建物は外壁が立派で保存を考えるに当たり内部との違和感がない様に設備機器等が目立たない様に上手く纏め、既存で残すべき物はうまく残し改修を行っている。
 維持保全計画については、統括管理の立場で市政調査会が中心になり、それぞれの専門業者を抱え緊急時対応、保守業務の指示系統もしっかり考えられている。
 近代ゴシック様式の重圧で優美な外観を誇り、歴史的建造物として、100年建築を目指して長期保全計画の基で管理運営されている建物である。